おもひあつめ

学生時代、“下地は珊瑚末に限る!”(仕上がりにはほぼ見えないので今思えば謎ですが、当時は描き始めの画面はこの色でないと嫌でした(笑))と天然珊瑚末を惜しげもなく使っていました。
  ― 天然珊瑚末とは、血赤珊瑚を砕いて細かくした岩絵の具のことで、値段がとても高いです!(笑)
と、その頃御徒町で求めた数珠や羽織紐もそうですし、珊瑚はずっと好きなのですが、
最近、個展の時にあったご縁から、細工物も気になり始めて帯留をネットで見始めましたが、昔のものはほんとうにすごい!
彫刻の立体感と繊細さはもちろんですが、使うときには見えることのない裏側までとても凝っているのです。
珊瑚の彫刻が薔薇であれば、裏は金属(14金なんてのもあります)のプレートを切り抜いて薔薇の輪郭線を模ったデザインになっていたりします。それも丸く綺麗な抑揚のあるラインどりで抜き方も格好いい。。
自分は持っていないので画像でお見せすることが出来ず、非常にもどかしいのですが、とにかくすごいです!
機会があったらぜひ、表だけでなく裏も見てみてください。


一見無駄と思われるようなところにも意味のあるこだわりを持ち、端々まで自分の作品だと言える絵を、私も描いてゆきたいと思います。

※画像は、原料の血赤珊瑚・孔雀石・藍銅鉱・ラピスラズリと、天然の岩絵の具です。

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